どんな君も、全部好きだから。
名前で呼びたい(Side 賢斗)
早坂と映画を観に行く日を翌日に控えた土曜日。
徒歩圏内のガソリンスタンドでバイトをしている俺は、その日は夕方までのシフトだった。
バイト帰りに蓮の家で漫画の新刊を読んでいたら、騒がしい足音が聞こえてきた。
「けんちゃんいる?!」
バンッ!!と勢いよく部屋のドアが開くと同時に入ってきたのは、幼馴染のりぃだった。
「お前いつかドア壊しそうだな」
特に慌てた様子もなく淡々とツッコむ蓮。
こいつ、いつも何事にも動じなさ過ぎるから、ほんとにドア壊されてもこのテンションなんじゃないかと思えてきた。
「明日優依先輩とデートなのにこんなとこでダラダラしてていいの?」
自分の部屋を『こんなとこ』呼ばわりされて若干眉をしかめた蓮だけど、何も言葉にしなかった。
俺は『デート』という単語に一瞬気分が良くなったけど、同時に『優依先輩』という呼び方に引っかかる。
「え?なんで急に早坂のこと名前で呼んでんの?」
早坂と話してみたい、仲良くなりたいと日ごろから言っていたけど・・・距離詰めるの早すぎないか?
「あー、この前帰りに先輩と会って仲良くなったの。連絡先も交換してもらった!そーいや言ってなかったね」
いやいや、連絡先交換て。この前初めて会ったばっかりじゃん。
「それでねー、今日優依先輩とショッピング行ったんだけどね」
「は?」
俺がゆっくりゆっくり詰めている早坂との距離を、爆速でゼロにするりぃ。
コミュニケーション能力高すぎて参考にもならねーわ。
しかもなんで俺が会う前日に、お前が先に早坂と遊んでんの?
「優依先輩明日のことで緊張してそうだったから、けんちゃんしっかりしてあげなよ」
「お前に言われんでもわかってるっつーの」
先に早坂と遊ばれてしまったことに若干イラっとしたので、語気を強めて返事をしてしまった。
徒歩圏内のガソリンスタンドでバイトをしている俺は、その日は夕方までのシフトだった。
バイト帰りに蓮の家で漫画の新刊を読んでいたら、騒がしい足音が聞こえてきた。
「けんちゃんいる?!」
バンッ!!と勢いよく部屋のドアが開くと同時に入ってきたのは、幼馴染のりぃだった。
「お前いつかドア壊しそうだな」
特に慌てた様子もなく淡々とツッコむ蓮。
こいつ、いつも何事にも動じなさ過ぎるから、ほんとにドア壊されてもこのテンションなんじゃないかと思えてきた。
「明日優依先輩とデートなのにこんなとこでダラダラしてていいの?」
自分の部屋を『こんなとこ』呼ばわりされて若干眉をしかめた蓮だけど、何も言葉にしなかった。
俺は『デート』という単語に一瞬気分が良くなったけど、同時に『優依先輩』という呼び方に引っかかる。
「え?なんで急に早坂のこと名前で呼んでんの?」
早坂と話してみたい、仲良くなりたいと日ごろから言っていたけど・・・距離詰めるの早すぎないか?
「あー、この前帰りに先輩と会って仲良くなったの。連絡先も交換してもらった!そーいや言ってなかったね」
いやいや、連絡先交換て。この前初めて会ったばっかりじゃん。
「それでねー、今日優依先輩とショッピング行ったんだけどね」
「は?」
俺がゆっくりゆっくり詰めている早坂との距離を、爆速でゼロにするりぃ。
コミュニケーション能力高すぎて参考にもならねーわ。
しかもなんで俺が会う前日に、お前が先に早坂と遊んでんの?
「優依先輩明日のことで緊張してそうだったから、けんちゃんしっかりしてあげなよ」
「お前に言われんでもわかってるっつーの」
先に早坂と遊ばれてしまったことに若干イラっとしたので、語気を強めて返事をしてしまった。