麻衣ロード、そのイカレた軌跡➍/赤き牙への狂おしき刃
その5
多美代



凄い集会だった

私はこの場に当事者として立ち会ったこの瞬間を、生涯思い刻んで生きて行くとことだろう

後見の立場で男性が関与しているとはいえ、実質、女子高校生がこれだけの集団を運営していってる

南埼玉だけでなく、これをいろんな地域に広げていかなきゃ

荒子新総長は、そう胸に期しているんだ

そりゃ、いろんな人の目があるから、いくら荒子先輩でもおおっぴっらには宣言できないさ

でも、ビンビン伝わってきた、今日、ホントに

感激だった


...



さあ、その王道を邪魔させない

せっかく紅丸先輩が、渾身の思いで撒いてくれた種を無駄にはできない

その崇高なスピリットがわからないアホな連中には、力を持って理解してもらう

まずは、外様のバカ犬どもを教育だ

アイツらは、ぶっ飛ばして分からせるしかないって


...



「多美、親衛隊をすぐ全員集めろ!そんで、テント前に待機してろ。いいか、荒子は初っ端からぶっ飛ばす気だからな。性根入れて行けよ」

「はい、恵川先輩、早速メンバーを招集します!」

集会が終わって、さっそく総長補佐控えの恵川いづみ先輩から指令が出たわ

よし、親衛隊が多少の”傷”を負ったとしても、レッドドッグスを追い込んでやるわ

いや、いっそ、ここででぶっ潰しだ


...



「アカネ、ルミ!親衛隊全員招集だ!テント前に至急だぞ。ドッグスより1秒でも早く集まるようにな」

「了解!」

私たちは、常にドント・ストップ、モア・テンションだ…

本郷のヤロウめ、白々しいチームネーミング晒しやがって!

”赤い狂犬”の横文字自体がケンカ売ってるだろうが!

場合によっちゃあ、そこで本郷を殺ってやる‼

私はテントに向かって走った





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