狂った魔法からは逃げられない〜歪んだ愛の鎖〜

クローゼットには、ルーカスさんが買ってくれた綺麗なドレスがたくさん入っている。腰にリボンのついたミモレ丈のミントグリーンの可愛らしいドレスを選び、ネグリジェを脱いで着替える。

着替えた後は、ルーカスさんが買ってくれた厚底のストラップシューズを履き、部屋を出る。部屋を一歩出れば、おいしそうな匂いが廊下に漂っており、お腹が空いてきた。

「この匂いは、オニオンスープかな……」

そう私が呟いた刹那、頭にズキンと痛みが走る。まるで脳をメスで無理矢理開かれていくような激しい痛みに、私は立っていられずその場にしゃがみ込んだ。

「〜ッ！ううッ！痛い……！」

ズキズキと絶え間なく続く痛みの中、頭の中にぼんやりと何かが浮かんでくる。知らない小さな家の中、テーブルの上にはスープやパンが並んでいて、椅子に座った数人が楽しそうに話している。でも、その顔はぼんやりしていて見えない。

誰？そこはどこ？何を話してるの？一体この映像は何？