狂った魔法からは逃げられない〜歪んだ愛の鎖〜
まあ外に出なくても、この広く屋敷と言ってもいいほどのこの家には、暇つぶしできる部屋がいくつもある。天井に届いてしまいそうなほど高い本棚が並んだ書斎や、珍しい植物がたくさんある温室、ダンスホールなどなど……。

「ミラ、もう大丈夫?」

ルーカスさんがジッと私を見つめる。私は「大丈夫です」と言いながら微笑む。すると、肩と膝の裏に手を入れられ、抱き上げられる。

「キャッ!ルーカスさん、一人で歩けます!」

「心配だから、こうさせて?」

ルーカスさんはニコリと笑い、結局リビングまでお姫様抱っこをされたまま連れて行かれてしまった。この家には私とルーカスさんしかいないけど、恥ずかしい。

朝ご飯を食べた後、ルーカスさんは私の足にまた足枷をつけると仕事に行ってしまった。足枷につけられた鎖は長く、外に出ることはできなくても家の中ならどこにでも行けるため、問題はない。

「今日は何をして過ごそうかな……」
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