魔法のいらないシンデレラ 3
ナーサリーに戻った小雪とすみれは、さっき見たばかりのお花を描こうか!と、テーブルにスケッチブックを広げた。
すみれは、クレヨンで早速すみれの花を描いている。
上手ねーと声をかけた小雪は、先ほどの庭園での事を思い出し、急に真顔になった。
(あの男の人…いったい誰なのだろう。瑠璃さんに妙に馴れ馴れしいし。それに呼び方も、瑠璃ちゃんって。そんな呼び方する人なんている?もしかして、瑠璃さんが総支配人夫人ってこと知らないとか?まさか、瑠璃さんに言い寄ろうとしてたり?!)
小雪は、思わず両手で頬を押さえる。
ホテルの社員ではない小雪も、最初は瑠璃が総支配人と結婚していることを知らなかった。
1年前のある日、瑠璃がすみれを連れてそっとナーサリーに入って来ると、小雪に尋ねたのだ。
「あの、私、このホテルの社員で育児休業中なのですが、そろそろ職場復帰を考えていまして…。週に4日、5時間ほど、娘を預かって頂く事は可能でしょうか?」
「はい、もちろん大丈夫ですよ」
笑顔で頷く小雪に、瑠璃はホッとしたように娘に笑いかけていた。
すみれは、クレヨンで早速すみれの花を描いている。
上手ねーと声をかけた小雪は、先ほどの庭園での事を思い出し、急に真顔になった。
(あの男の人…いったい誰なのだろう。瑠璃さんに妙に馴れ馴れしいし。それに呼び方も、瑠璃ちゃんって。そんな呼び方する人なんている?もしかして、瑠璃さんが総支配人夫人ってこと知らないとか?まさか、瑠璃さんに言い寄ろうとしてたり?!)
小雪は、思わず両手で頬を押さえる。
ホテルの社員ではない小雪も、最初は瑠璃が総支配人と結婚していることを知らなかった。
1年前のある日、瑠璃がすみれを連れてそっとナーサリーに入って来ると、小雪に尋ねたのだ。
「あの、私、このホテルの社員で育児休業中なのですが、そろそろ職場復帰を考えていまして…。週に4日、5時間ほど、娘を預かって頂く事は可能でしょうか?」
「はい、もちろん大丈夫ですよ」
笑顔で頷く小雪に、瑠璃はホッとしたように娘に笑いかけていた。