魔法のいらないシンデレラ 3
小雪に近寄って質問攻めにする三人を、山下は手で追い払う。

「ほらほら、体育会系のおっさん達が近寄ったらびっくりするだろ?ごめんな、小雪ちゃん。こいつら、大学の時の部活仲間なんだ」
「いえ、大丈夫です。そうだったんですね」

すると三人は、ますます詰め寄ってくる。

「小雪ちゃん?可愛い名前だねー」
「ね、ここで会ったも何かの縁ってことで、俺達も同席していい?」

山下は、両手で押しやる。

「だーめーだ!お前ら、圧力凄いんだよ。おっさんの圧」
「なんだよー、稜だって同い年だろうがよ?小雪ちゃん、こいつ30だよ?ほんとにいいの?俺にしときなよー」
「バーカ、お前も30だろうがよ」

ガハハと笑いながら、三人はいつの間にか隣のテーブルに座り、ビールや料理を注文し始めた。

「小雪ちゃん、ここのつくね串、めっちゃうまいよ。食べてみな?」
「そうだ、稜の若い頃のバカ話聞きたい?こいつさー、試合で勝ったのが嬉しくて、ここで酔っ払ってさ。勢いで近くの綺麗なお姉さん達のテーブルに行って…」
「わー、バカ!それ以上言うな!」

山下は、なんとか三人を追い払おうとするが、小雪は楽しそうに話を聞いている。
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