魔法のいらないシンデレラ 3
ベッドでは、すみれと一生が仲良く並んで眠っている。

瑠璃はすみれの頭を優しくなでてから、一生の耳元で声をかけた。

「一生さん。朝ですよ」

普段の時間よりは少し早いが、仕方ない。
許してもらおう。

「ん…。おはよう、瑠璃」

一生はいつものように、瑠璃の頭を優しくなでながら頬にキスをした。

「おはようございます。一生さん、朝食を用意してあるので、後ですみれと一緒に食べて下さいね。私は陣痛が来たみたいなので、これから病院に行ってきます。また後で連絡しますね。それじゃあ」

そう言って瑠璃は寝室を出て行った。

「ん…分かった。…ん?病院?陣痛って…えっ!」

ガバッと起き上がると、一生は部屋を飛び出す。
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