魔法のいらないシンデレラ 3
「…ふう」
山下は、1LDKの部屋に帰ると、ソファにドサッと身を投げるように座る。
小雪の話が頭から離れなかった。
(あんなに一生懸命働いてきたのに…。すみれちゃんにも、他の子にも優しく、自分がケガしても笑顔で…。社宅のプロジェクトにも、自分は社員じゃないにも関わらず熱心に資料を用意してくれて)
「なんとかならないのか…」
声に出して考え込む。
小雪は否定したが、こうなったのには、少しは自分にも責任がある。
だが、遠く山口県にいる小雪の両親を、見ず知らずの自分が説得するのは余計に話をこじらせるだけだ。
ため息をついてから、山下はキッチンに向かった。
何か食べようとしたが、結局冷蔵庫から缶ビールを取り出しただけでソファに戻る。
缶を開けると、ビールが溢れ出た。
「うわっ」
思わずスラックスのポケットから取り出したハンカチで拭おうとして、手を止める。
それは、小雪からプレゼントされたハンカチだった。
山下は、ハンカチをテーブルに置くと、代わりにティッシュを取ってビールを拭いた。
山下は、1LDKの部屋に帰ると、ソファにドサッと身を投げるように座る。
小雪の話が頭から離れなかった。
(あんなに一生懸命働いてきたのに…。すみれちゃんにも、他の子にも優しく、自分がケガしても笑顔で…。社宅のプロジェクトにも、自分は社員じゃないにも関わらず熱心に資料を用意してくれて)
「なんとかならないのか…」
声に出して考え込む。
小雪は否定したが、こうなったのには、少しは自分にも責任がある。
だが、遠く山口県にいる小雪の両親を、見ず知らずの自分が説得するのは余計に話をこじらせるだけだ。
ため息をついてから、山下はキッチンに向かった。
何か食べようとしたが、結局冷蔵庫から缶ビールを取り出しただけでソファに戻る。
缶を開けると、ビールが溢れ出た。
「うわっ」
思わずスラックスのポケットから取り出したハンカチで拭おうとして、手を止める。
それは、小雪からプレゼントされたハンカチだった。
山下は、ハンカチをテーブルに置くと、代わりにティッシュを取ってビールを拭いた。