魔法のいらないシンデレラ 3
第二十一章 悲しみと決意
「えー、では第三回リーダーミーティングを始めます」

9月の下旬に、久しぶりのミーティングが開かれた。

いつもの面々の中に瑠璃の姿はない。

だが、早瀬がパソコンの向きを変えて皆に見せると、瑠璃が赤ちゃんを抱いて微笑んでいた。

「うわー、可愛い!」

皆は、我先にと身を乗り出してパソコンを覗き込む。

「お陰様で無事に産まれました。今日はオンラインで参加させて頂きます。よろしくお願い致します」

瑠璃が頭を下げると、拍手が起こる。

「おめでとうございます!総支配人、瑠璃様」

一生も、笑顔で礼を言う。

山下は、ちらっと小雪に目を向けた。

誰よりも食い入るように、画面の向こうの赤ちゃんを覗き込み、満面の笑みを浮かべている。

(きっと、いつか自分がお世話をしたいと思っているのだろうな)

そう思うと、山下は胸が傷んだ。
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