魔法のいらないシンデレラ 3
第二十五章 夢か幻か不審者か?
その日は、3月にも関わらず朝から妙に寒い日だった。
ホテルのロビーに、レストランのストロベリーフェアのチラシを補充した後、オフィス棟へと戻りながら山下は肩をすくめた。
「うわっ、さぶ!」
足早に庭園を抜けようとして、ふと怪しい動きをする人物が目に留まる。
(なんだ?あの人)
紺色のロングコートのフードを深く被り、大きな木の影から、建物の中を覗き込んでいる。
(あの場所って…)
庭園の一番奥、その人物が窓から中の様子をうかがっているのは、ナーサリーだった。
「…あの野郎!」
中にすみれと蓮がいるのを思い出し、カッと頭に血が上った山下は、不審者に駆け寄ると肩に手を置いて強引に振り向かせた。
「おい!何してる?!」
「ギャー!!」
山下の予想に反し、不審者は高い声で悲鳴を上げると、驚いた反動で地面にひっくり返った。
ホテルのロビーに、レストランのストロベリーフェアのチラシを補充した後、オフィス棟へと戻りながら山下は肩をすくめた。
「うわっ、さぶ!」
足早に庭園を抜けようとして、ふと怪しい動きをする人物が目に留まる。
(なんだ?あの人)
紺色のロングコートのフードを深く被り、大きな木の影から、建物の中を覗き込んでいる。
(あの場所って…)
庭園の一番奥、その人物が窓から中の様子をうかがっているのは、ナーサリーだった。
「…あの野郎!」
中にすみれと蓮がいるのを思い出し、カッと頭に血が上った山下は、不審者に駆け寄ると肩に手を置いて強引に振り向かせた。
「おい!何してる?!」
「ギャー!!」
山下の予想に反し、不審者は高い声で悲鳴を上げると、驚いた反動で地面にひっくり返った。