魔法のいらないシンデレラ 3
第二十六章 全て解決!
「小雪ちゃん、足大丈夫か?」

朝から何度も、山下は小雪のケガを気にかける。

「大丈夫ですってば。稜さんこそ、私のせいで夕べはソファで寝ることになっちゃって…。眠れなかったでしょ?」
「いや、俺よく朝までソファで寝ちゃうことあるから。いつも通りだよ」

ははっと明るく笑う山下に、小雪もなんだか気持ちが軽くなった。

空港から、山下は迷うことなくタクシーに乗る。

「このまま家まで行くと、すごい料金になっちゃいます…」
と囁く小雪の言葉を聞き流し、へえー、のどかないい所だな、と窓からの景色を眺めている。

やがて小雪の実家に着くと、両親が表に出て待っていた。
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