魔法のいらないシンデレラ 3
「こちらこそ、わざわざ娘を送って来て下さって、ありがとうございました。大変ご迷惑をおかけしました」
二人揃って頭を下げた後、困ったように話し出す。
「娘は本当に、何をやってもだめな子で…。東京でひとり暮らしするなんてって、最初は大反対したんですよ。危なっかしいし、都会の変な詐欺にも引っかかるんじゃないかって。何でしたっけ?オラオラ詐欺?」
「お父さん、オレオレ詐欺よ」
横から母親が、小声で訂正する。
「そう、それ。だからね、こんな高級なホテルで働くなんてのも、半信半疑で。娘は、ちゃんとやってたんでしょうか?ご迷惑ばかりおかけしたのでは?」
「いえ、とんでもない!」
山下はすぐさま否定する。
「小雪先生は、とても優秀な保育士さんです。僭越ながら、私は小雪先生の仕事ぶりにいつも感心しておりました。どんな時も笑顔を絶やさず、愛情深く、責任を持って子ども達と接しておられる素晴らしい先生でした。ご自分がケガをされても、子どもを不安にさせないようにと笑って痛みを堪え、私が病院に連れて行こうとしても、無事に母親に引き渡すまでは行けないと言って無理をして…。同じ社会人としても、常に尊敬出来る働きぶりでした」
「へっ?あの小雪が?」
両親は、ポカンと山下の話を聞いている。
二人揃って頭を下げた後、困ったように話し出す。
「娘は本当に、何をやってもだめな子で…。東京でひとり暮らしするなんてって、最初は大反対したんですよ。危なっかしいし、都会の変な詐欺にも引っかかるんじゃないかって。何でしたっけ?オラオラ詐欺?」
「お父さん、オレオレ詐欺よ」
横から母親が、小声で訂正する。
「そう、それ。だからね、こんな高級なホテルで働くなんてのも、半信半疑で。娘は、ちゃんとやってたんでしょうか?ご迷惑ばかりおかけしたのでは?」
「いえ、とんでもない!」
山下はすぐさま否定する。
「小雪先生は、とても優秀な保育士さんです。僭越ながら、私は小雪先生の仕事ぶりにいつも感心しておりました。どんな時も笑顔を絶やさず、愛情深く、責任を持って子ども達と接しておられる素晴らしい先生でした。ご自分がケガをされても、子どもを不安にさせないようにと笑って痛みを堪え、私が病院に連れて行こうとしても、無事に母親に引き渡すまでは行けないと言って無理をして…。同じ社会人としても、常に尊敬出来る働きぶりでした」
「へっ?あの小雪が?」
両親は、ポカンと山下の話を聞いている。