魔法のいらないシンデレラ 3
「えっ?!やだ、可愛い〜!なんて美少女。もしかして、お二人のお子さん?」

すみれは恥ずかしそうに、慌てて顔を引っ込める。

「ええ、娘のすみれです。すみれ、この人は麗華お姉さんよ」

瑠璃に促され、おずおずと麗華の前に歩み出たすみれは、はにかみながら、こんにちはとお辞儀をする。

「こんにちは。すみれちゃんっていうのね。私は麗華よ」

すみれの前に屈んで麗華が声をかける。

「うわー、お人形さんみたいに可愛いわね。でもすみれちゃん?お嬢様たるもの、簡単に男の人に落ちたらだめよ?」
「ちょ、ちょっと、麗華さん」

ガーンと固まっている一生の様子を気にしつつ、瑠璃が麗華を止める。

「いい?結婚するなら、あなたのお父様みたいな人にするのよ?」
「とうさまみたいなひと?」
「そうよ。お父様は優しいでしょ?そんな人を見つけるのよ」

分かっているのか、いないのか、すみれは嬉しそうに、はい!と頷いた。
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