魔法のいらないシンデレラ 3
「どっちだろうなー。瑠璃はどう思う?」
「ええー?分からない。つわりとか体調も、すみれの時とあまり変わらないし…」
「じゃあ、女の子かな?」
「でも、叶恵ちゃんは男の子じゃないかって言うの。私の顔つきが違うからって」

一生は、少し離れて瑠璃の顔を見る。

「そうかな?いつもの可愛い瑠璃にしか見えない」
「ちょ、やだ!一生さんたら。真面目な顔でなんてことを…」

両手で頬を押さえる瑠璃にクスッと笑ってから、一生は、ふと真顔に戻って瑠璃にキスをする。

瑠璃は、ますます顔を赤らめてうつむいた。

「何年経っても可愛いよ。何年経っても瑠璃が好きだ。いや、前よりももっともっと、瑠璃への想いが募っていく。俺はずっとずっとこの先も、瑠璃に恋し続けるんだろうな」

一生に見つめられて、照れたように笑いながら瑠璃も口を開く。

「私も、いつもいつも一生さんのことが大好きです。一生さんに優しく触れられると、胸がキュッてなって、凄く幸せなの。ずっとずっと、私は一生さんのそばにいたいです」

一生は、優しく微笑んで瑠璃を抱きしめる。

「ずっとずっと一緒にいるよ。それが俺達二人の願いだから」
「ええ」

一生は、瑠璃の潤んだ瞳を覗き込むと、またゆっくりとキスをする。

二人は時間を忘れて何度もキスを交し、幸せを胸いっぱいに感じていた。
< 76 / 236 >

この作品をシェア

pagetop