魔法のいらないシンデレラ 3
「はい。ここ数年、女性社員が、結婚や出産を機に退職する事が多くなりました。育児と仕事の両立が難しいからと。瑠璃にも話を聞き、それを参考にしながら、私は社員全員にアンケートを取りました。現在の住まいと、将来的な希望についてです」
社長は、じっと話を聞いている。
「そこで上がってきた声は、やはり子育てしやすい場所に住みたいが、そこからホテルに通勤して働き続ける事は難しいと」
ふと、社長は瑠璃に目を向ける。
「瑠璃ちゃんは、すみれをホテルに預けて仕事をしているんだよね?」
「はい。ですがそれは、通勤が非常に楽だから出来る事です。ご主人の職場に近い所や子育てしやすい郊外に住んでいては、子どもを連れて満員電車でホテルに通うことは現実的ではありません」
「確かに。その場合は、自宅近くの保育園に預けたらどうだろう?補助金を会社から支給して」
それを聞いて、一生が再び口を開く。
「補助金については、すでに支給しています。ですが、問題はお金ではないのです。保育園は待機児童が多く、希望する園に入園する事は困難です。1年、2年と待っている間に、もう諦めようと、仕事を退職してしまう人もいます」
社長は、じっと話を聞いている。
「そこで上がってきた声は、やはり子育てしやすい場所に住みたいが、そこからホテルに通勤して働き続ける事は難しいと」
ふと、社長は瑠璃に目を向ける。
「瑠璃ちゃんは、すみれをホテルに預けて仕事をしているんだよね?」
「はい。ですがそれは、通勤が非常に楽だから出来る事です。ご主人の職場に近い所や子育てしやすい郊外に住んでいては、子どもを連れて満員電車でホテルに通うことは現実的ではありません」
「確かに。その場合は、自宅近くの保育園に預けたらどうだろう?補助金を会社から支給して」
それを聞いて、一生が再び口を開く。
「補助金については、すでに支給しています。ですが、問題はお金ではないのです。保育園は待機児童が多く、希望する園に入園する事は困難です。1年、2年と待っている間に、もう諦めようと、仕事を退職してしまう人もいます」