魔法のいらないシンデレラ 3
「ところで、君も会議に出るの?」
二人で肩を並べて廊下を歩き始めると、山下が聞いてくる。
「はい。ホテルの社員ではないのですが、保育士の立場で何か気付いた事があれば、と。だけど私なんか、場違いで、緊張してて…」
「そっか、でも大丈夫だよ。ここのスタッフは、みんないい人ばかりだし」
「そうなんですね。それに、りょうさんもいらしてて良かったです。ちょっとホッとしました」
すると、山下はふと足を止めた。
どうしたのかと見上げると、どうにも困ったように顔を赤らめている。
「あの…どうかしましたか?」
「いや、その…。君、さっきから俺のこと、名前で呼んでるから…」
「え?はい。やっぱりヘラ…じゃなくて、あの、ちゃんとお名前でお呼びしないとって思って」
「そ、それはいいんだけど、なんで名字じゃないの?」
「名字?そう言えばそうですね。すみません、保育士の癖でつい…。でも私、りょうさんの名字知らなくて…」
「あ、そっか。俺も君の名前、こゆき先生ってことしか知らないもんな」
二人で肩を並べて廊下を歩き始めると、山下が聞いてくる。
「はい。ホテルの社員ではないのですが、保育士の立場で何か気付いた事があれば、と。だけど私なんか、場違いで、緊張してて…」
「そっか、でも大丈夫だよ。ここのスタッフは、みんないい人ばかりだし」
「そうなんですね。それに、りょうさんもいらしてて良かったです。ちょっとホッとしました」
すると、山下はふと足を止めた。
どうしたのかと見上げると、どうにも困ったように顔を赤らめている。
「あの…どうかしましたか?」
「いや、その…。君、さっきから俺のこと、名前で呼んでるから…」
「え?はい。やっぱりヘラ…じゃなくて、あの、ちゃんとお名前でお呼びしないとって思って」
「そ、それはいいんだけど、なんで名字じゃないの?」
「名字?そう言えばそうですね。すみません、保育士の癖でつい…。でも私、りょうさんの名字知らなくて…」
「あ、そっか。俺も君の名前、こゆき先生ってことしか知らないもんな」