魔法のいらないシンデレラ 3
「な、奈々ちゃん、大丈夫?」
隣の席の瑠璃が、肩に手を置いて囁く。
が、奈々はもはや返事も出来ずに息を呑んだままだ。
「ご、ごめん、奈々…」
謝る青木に、ゴホン!と咳払いをしてから、一生が口を開く。
「あー、青木くん。とにかく一旦座りなさい」
「は、はい」
「ところで、2年前から君は部長昇進の話を断っているが、理由は?小山くんと離れたくないからか?」
「えっ、は、まあ、はい」
それを聞いて、加藤と山下は驚く。
「えー?!課長、昇進の話、断ってたんですか?」
「どうりで!なんかおかしいと思ってた。ずっと課長のままなんてって」
「いや、その、それは…すまん」
ますます小さくなる青木に、一生が続ける。
「青木くん、君が昇進しなければ、加藤くんや山下くんも昇進出来ない。次の人事異動では、君を部長に昇進させる。小山くんとは、毎日家で顔を合わせられればいいんじゃないか?但し…」
一生は身を乗り出して青木を見据える。
「女の子にとって、プロポーズは大事な一生の思い出だ。会議室ではなく、きちんとした場で結婚を申し込みなさい」
「は、はい!承知致しました!」
一生は頷くと、小山くん、と奈々に呼びかけた。
隣の席の瑠璃が、肩に手を置いて囁く。
が、奈々はもはや返事も出来ずに息を呑んだままだ。
「ご、ごめん、奈々…」
謝る青木に、ゴホン!と咳払いをしてから、一生が口を開く。
「あー、青木くん。とにかく一旦座りなさい」
「は、はい」
「ところで、2年前から君は部長昇進の話を断っているが、理由は?小山くんと離れたくないからか?」
「えっ、は、まあ、はい」
それを聞いて、加藤と山下は驚く。
「えー?!課長、昇進の話、断ってたんですか?」
「どうりで!なんかおかしいと思ってた。ずっと課長のままなんてって」
「いや、その、それは…すまん」
ますます小さくなる青木に、一生が続ける。
「青木くん、君が昇進しなければ、加藤くんや山下くんも昇進出来ない。次の人事異動では、君を部長に昇進させる。小山くんとは、毎日家で顔を合わせられればいいんじゃないか?但し…」
一生は身を乗り出して青木を見据える。
「女の子にとって、プロポーズは大事な一生の思い出だ。会議室ではなく、きちんとした場で結婚を申し込みなさい」
「は、はい!承知致しました!」
一生は頷くと、小山くん、と奈々に呼びかけた。