バレンタインチョコと四人の恋
宙翔くんはおかしそうに吹き出し、クスクスと笑っている。


恥ずかしさでいたたまれなくなり、俯きながら「行こう」と言って歩き出そうとすると、腕を引かれた。




「なんで?食べないの?」


「…え?」


「依茉ちゃんがあまりにも目輝かせてたから、食べたくなっちゃった。責任取ってよね」




そう言った宙翔くんに手を引かれ、そのままお店の中に入る。




「ええ、どうしよう、すごく迷う…!」




いちごミックスはもちろん食べたいけど…このもう一つの新商品であるキウイ味も美味しそうだしな…。




「今日はカップルデーなので、シングルスを頼みますともう一つ無料でついてきますよ。どうしますか?」


「か、カップルデー!?もう一つ無料!?」




もう一つ無料はとても魅力的だが、そもそも私たちはカップルではない。
< 14 / 90 >

この作品をシェア

pagetop