バレンタインチョコと四人の恋
「あの、私たち…」


「それでお願いします」




え、と宙翔くんを見上げると、宙翔くんは気づかれないように人差し指を立てて「しー」とやっていた。




「いやーダブルになるなんて、ラッキーだったね」


「うん、これでどっちも食べれるもん!」




それに…一瞬だったけど、宙翔くんの彼女になれた錯覚がした。


アイスのお金も払ってくれたし、もし宙翔くんが彼氏ならこんな感じなんだろうな…、と想像してしまい、頬が熱くなる。




「ん、依茉ちゃん、どうかした?」


「ううん、なんでもない!」




やっぱり私はこの人がどうしようもないくらい好きなんだなと再実感した日だった。





「依茉パース!」


「あたーっく!」
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