バレンタインチョコと四人の恋
体育の時間が一番好きだ。


クラスメイトからもらったパスをアタックで決め切り、ちょうど試合終了のブザーが鳴った。



冬休みが終わり、それでもまだ寒さが残っている外とは比べものにならないほど、体育館の中は熱気で溢れていた。





「わー!依茉のおかげでまた勝ったよー!」


「やったー!」




喜んでいるクラスメイトとハイタッチを交わしながら、隅っこに体育座りをしていた麗の隣に休みに行く。




「だー疲れたー」


「おつかれ依茉ちゃん。今日もバレー大活躍だったね」


「楽しかったけど疲れたよー…って、宙翔くん!試合やってる!」




壁に寄りかかるようにして脱力していると、ネットカーテンを挟んだ向こう側で宙翔くんのクラス対私のクラスでバスケの試合がちょうど始まろうとしているのが見えた。


体育は隣のクラスと合同でやるため、宙翔くんが授業中に見れる貴重な時間だ。




「うわぁ…。めっちゃ活躍してるじゃん、宙翔くんかっこいい…」




パスをもらっては次々と綺麗なフォームでシュートを決めていく宙翔くんに思わず見惚れる。
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