バレンタインチョコと四人の恋
「うら…」




「麗もそう思わない!?」と尋ねようとして隣を見て、思わず言葉が引っ込む。


…え?




「…ん?依茉ちゃん、どうかした?」


「うら、ら…」




見間違いだろうか…?


見間違いであってほしい。



麗の宙翔くんを見つめる瞳は、私のものと同じだった。


恋をしているからこそ、わかってしまった。




「…麗も、宙翔くんが好き、なの…?」




愛おしいものを見つめるような、そんな優しい眼差しだった。
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