バレンタインチョコと四人の恋
「おお、帰れ帰れー。リア充うらやましいなー。けどちゃんと自分の仕事は家とかで終わらせろよー?」


「はーい。会長ありがとー!」


「うぃーす」




二人が行ってから、はあと大きなため息をわざとつく。




「会長。どうして二人を行かせたんですか?文化祭も近く今が一番忙しい時期だというのに、ただでさえ六人という少ない人数で、それなのに二人も削られて困ります」




二年生の二人はちらりと私を見たがすぐに視線を逸らし、黙々と自分の作業に取り掛かっている。




「そうだけど…今しかできない青春だってあるだろー?それを俺が潰しちゃうのは違うじゃん。それに、あの二人だって言った仕事はちゃんと次の日までに終わらせてるわけだし…」


「家でできることなんて限られているでしょう。先生方へ話に行ったり、各クラスの学級委員との打ち合わせだって全て私たちがやっています。あの二人のせいで私たちの負担が増えているんですよ」




なんでも完璧に、すぐにこなせる会長はとても能天気すぎる。


仕事だけできてもこういう部分は本当に理解ができない。
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