バレンタインチョコと四人の恋
「たかが恋愛で生徒会を疎かにするなんて…ばっかみたい」




これだから恋愛は嫌いだ。くだらない。





「えー今日は俺、どーしても外せない用事がありまして…てことで代わりに俺の幼なじみを連れてきたので、たくさんこきつかってあげてください!」


「高一の碧山宙翔です。生徒会の仕事はよくわからないんですけど、少しでもお力になれるように頑張ります」


「ごめんね、朱音ちゃんー。負担ちょっとかけちゃうかもなんだけど…」


「大丈夫です」




会長の目を見ずにはっきりと言い返し、自分の作業を黙々と続ける。


会長が休むなんて少し珍しいが、どうでもいい。



どうせ会長なら今日の分の遅れも明日には取り返しているし、代わりの人も連れてきてくれたならこれ以上話すことはない。




「えと、副会長はそこにいる百瀬(ももせ)さんだから、彼女に何やればいいかとか聞いてくれるかな」


「わかりました」




私に押し付けてくる二年生を軽く睨みながら、爽やかな笑顔でこちらに近づいてきた碧山くんに何かを言われる前に紙の束とホチキスを渡す。
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