バレンタインチョコと四人の恋
「碧山くん大丈夫?俺も手伝うよ」


「え、いいんですか?ありがとうございます助かります」


「碧山くんなんでもできるって有名なのに、不器用なのおもしろー!針に糸とか通せないタイプでしょー?」


「糸通しなら俺もできねぇー。てことは俺、碧山と同レベルってこと…?」


「うわ、なんでちょっと嫌そうに言うんだよー」




あははと盛り上がっているみんなを一瞥し、自分の作業に集中しようとするがうるさくてできない。



碧山くんは不器用で全然仕事ができないのに、みんなとは昔からの友達のようにもう打ち解けている。


…私は、まともに話せたことがないというのに。




「あ、百瀬さーん。今日も私先帰るねー」


「あ、俺もだ、そろそろ…」


「ん?二人とも何か用事でもあるのー?」


「あ、そっか碧山くん知らないのか。私たちそれぞれの彼氏彼女と用事あって、たまに先帰らせてもらってるんだー。あ、でもちゃんと自分の仕事は家で終わらせてるから!」




…またか。
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