バレンタインチョコと四人の恋
ハッとして周りを見回すと、横峯くんも先輩達も、私を冷めた目で見つめていた。



…どうして。


これじゃ、私が悪いみたいじゃない。


私は何も間違ったことを言っていないのに。


どうしてこんな目で見られないといけないの。




「ちょっと、みんな一回落ち着こう。安西さんも横峯も、大切だから恋人のために時間を作ろうとしてるんだよね?それってすごい素敵だよな。だけどさ、百瀬さんの言うことも正しいと思うんだ。二人がいたらもっとできることがあるから、二人が必要だから百瀬さんは怒ってるんだよ。だからせめて目の前の文化祭を成功できるように、みんなで力合わせよう!早くやること全部終わらせちゃえばいいんだからさ!」


「…たしかに、そうだね。…ごめん、百瀬さん」


「俺も今はちゃんと生徒会を優先させるよ。悪かったな」


「あの、俺も注意できなかったのは先輩としてだめだったよな、ごめん」


「私も先輩として不甲斐ないです、すみません…」




素直にみんなから謝られ、拍子抜けする。


あんなに私に敵意を向けていたのに、碧山くんの言葉でこんなにもすぐ変われるものなの?
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