バレンタインチョコと四人の恋

「…私も言い方悪かったと思う。ごめんなさい」




私だけ謝らないわけにもいかなく、仕方なく謝罪の言葉を口にする。


そんな私の複雑な気持ちにみんなは気づくはずもなく、それぞれの仕事を再開していく。


＊


「百瀬さん、できたよ！次の仕事はなに？」


「…もう下校時刻だし、今日はここまででいいわ」




もう下校時刻である七時になり、軽く片付けてそれぞれ帰っていく。


窓の施錠がしてあるのを確認して、最後まで残っていた碧山くんが出てから鍵を閉める。




「じゃあ、私は職員室に鍵を返してくるから。お疲れ様」


「あ、俺も行くよ」




え、と思ったが先に歩き出してしまった碧山くんに今更大丈夫だとも言えなくて、職員室まで一緒に行く。




「じゃあ、さようなら」


「え、なんで？送ってくよ」




鍵を返し終わりやっと一人になれると思ったのに、碧山くんのまさかの申し出にげんなりする。