バレンタインチョコと四人の恋
「うわ、押すなって…」


「うわぁ…!?」




じゃれあっていた男子の一人に突き飛ばされ、下に真っ逆さまに落っこちる。


落ちる!とぎゅっと目を瞑り、来るであろう痛みに体に力が入った。




「あれ…?痛くない…?」




たしかに落ちたはずなのに、あまり痛くないことに気づき目を開けると、誰かに抱きとめられていた。




「あぶな…大丈夫?まさか上から人が落ちてくるなんて思わなかったから、びっくりしたよ」




第一印象は、こんなにかっこいい人がうちの高校にいたのか?だった。




「どこか打った?うまくキャッチしたつもりだったんだけど…保健室行く?」


「…きです」


「ん?」




ああ、やっとわかった。
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