バレンタインチョコと四人の恋



「安西さん、横峯くん、たしかに私は恋愛なんてくだらない、ってあなたたちを馬鹿にしていたわ。言い方も悪かった。本当にごめんなさい」




次の日、先に生徒会室に来ていた安西さんと横峯くんに頭を下げて改めて謝罪の言葉を口にする。




「え、ちょ、百瀬さん!?いいよ、昨日謝ってくれたんだし!頭上げて?」


「そうだよ。それはもう昨日終わったことだろ」


「そうだけど、昨日はみんなが先に謝ってくれて、その流れで言ってしまった部分もあるからちゃんと私の言葉で謝りたくて」




思っていることを言葉にするだけなんて簡単だ。


だけどそれをそのまま伝えるんじゃなくて、ちゃんと相手に私の気持ちが伝わるように言うことが大事だから。


素直になるなんて、すぐにはできないかもしれないけど、言い方を少し変えるくらいなら私だってできる。




「ふっ、あはは!百瀬さんって、律儀だね。そんなの全然いいのにー。てか百瀬さんくらいびしっ!っと言ってくれる子なんて滅多にいないから、むしろありがたいよ」


「それに悪かったのはこの忙しい時期に私情を持ち込んでた俺たちだしな。生徒会の自覚が足りなかった」


「てことで、もう謝るのはなし!仲直り!てか、もう半年も一緒にいるんだから、百瀬さんのこと名前で呼んでいいかな?」
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