バレンタインチョコと四人の恋



文化祭当日。


私たち生徒会は自分のクラスのシフト以外は校内などの巡回をしないといけない。




「…あの、本当にいいの?巡回の手伝いまでしてもらって」


「うん。シフト以外暇だしね」




三年生フロアを一緒に見回っていた隣を歩く碧山くんは、いつもの爽やかな笑顔で答えた。


碧山くんはあれからもちょくちょく手伝いに来てくれて、当日の巡回まで手伝うと自ら名乗り出てくれた。




「それに俺、手伝うっていってもその、少し不器用で、役に立ったのは人と話す系の仕事だけだったから、申し訳なくて」


「別に、そんなことないわよ。人手不足だから、助かってたわ」




素直に言葉が出てきて、そんな私をじっと見つめてきた碧山くんに少し恥ずかしく思いながら「なに?」と尋ねる。




「あ、いや、なんか百瀬さん雰囲気柔らかくなったね」


「そ、そんなことないわよ」
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