バレンタインチョコと四人の恋
「今の方がいいね」




そんなことをさらりと言える碧山くんになぜか少しどきりとする。




「じゅ、巡回のせいで他クラス回れないんじゃない?大丈夫なの?」


「それは百瀬さんも…。…あ、いいこと思いついた」


「え?」




碧山くんはいたずらっ子のような笑みを見せたかと思うと、私の腕を引いてスタスタと歩き出した。




「ど、どこ行くの?」


「そうだねーまずは、食べ物系から行こっか。カフェとかやってるお店とかあったよねたしか」


「…え?」


「巡回がてら、一緒に回ろうよ。ちょっとくらい大丈夫だよきっと。百瀬さんはどこか行きたいところはある?」


「…クレープ、食べに行きたい…」


「ふっ、あはは、クレープね了解」




碧山くんとクラスを順々に回っているうちに、あっという間に午前の巡回が終わった。
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