バレンタインチョコと四人の恋
「…あ、だ、大丈夫です…。止むまで待つので…」




ちらりと依茉ちゃんの顔がちらつき、慌てて断る。



…危ない。一瞬「入る」と言ってしまいそうになった。


何をしているんだろう私は。




「でも…しばらく止まなさそうだよ?俺学校から家近いから、一緒に来てくれれば傘貸すし」


「あ、えっと…」


「困ってるのに、ほっとけないよ」




…そうだ、碧山くんはそういう人だと半年見てきて知っている。




「…じゃあ、お願いします…」




断れなかった。


碧山くんの申し出を断るなんて私にはできなかった。
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