バレンタインチョコと四人の恋



時間はあっという間に流れ、制限時間である一時間たっぷりケーキを楽しみお店を出る。


LINEで会話をしていたおかげか、今日はいつもより碧山くんと上手く喋れている気がした。




「はー食べたね…。ちょっとそこの公園で休憩しよっか」




碧山くんが指差した公園のベンチに少し距離を空けて座る。


休日だからか遊具で遊ぶ子供達や、水鉄砲を片手に駆け回る子供達で公園内はわいわいと騒がしかった。



目的であったケーキバイキングはもう終わったし…ここでちょっと休憩をしたらもう帰るのかな…?


依茉ちゃんには内緒で碧山くんと会っている罪悪感から、早く帰りたいと思う反面、楽しくて、…幸せな碧山くんとの時間をもう少しだけ過ごしたいという欲が出てくる。



…嫌だな。諦めようってあの日に決めたのに。


「応援する」って言ったのに。



私が今やっていることは、裏切りだ。


大切な依茉ちゃんを、裏切っていることと同じだ。
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