バレンタインチョコと四人の恋
時間が経つにつれ、私の勇気もしぼんでいくようだ。


いても経ってもいられなくなり、とりあえず探してみようかと歩き出そうとするが、ぴたりと足が止まった。



…もしかしたら、今依茉ちゃんが告白をしている最中かも…?


こんなに遅いならあり得る話だし、何よりも依茉ちゃんは今日告うと言っていたから間違いない。



もう、付き合うことになっていたらどうする?


私の告白は、二人にとって邪魔なだけだ。



そんなの私の推測だし、探しにいってこの目で確かめればいいと頭ではわかっている。


…わかってはいるのに、足が動かない。


気分まで悪くなってくる。




「…やっぱり、私には無理だ」




臆病はどう足掻いたって臆病なまま。変わることなんてできない。


依茉ちゃん、ごめんね…。やっぱり、無理だよ…。



誰もいない靴箱で、うずくまって泣くことしか私にはできなかった。
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