バレンタインチョコと四人の恋
二人は私に気づくことなく、笑いながらどんどん歩いていく。
その後を追いかけて、その子は誰かと聞ければ良かった。
だけど私にはそんな勇気はない。
「私が幼い頃から見てたのは君だけだよ」
言おうと思っていた言葉がぽつりと漏れたが、その言葉は誰にも届くことなく雨の中に消えていった。
私はずっと宙翔だけを見てきた。
だけど、宙翔はやっぱり違かったんだね…。
*
「彩葉ー。大丈夫?生きてるー?」
布団にもぐりながらスマホを眺めていると、部屋の扉がノックされた。
この声は、咲希だ。
「…どうしたの」
部屋の扉を開けると、ビニール袋を持った咲希がやっぱり立っていた。
その後を追いかけて、その子は誰かと聞ければ良かった。
だけど私にはそんな勇気はない。
「私が幼い頃から見てたのは君だけだよ」
言おうと思っていた言葉がぽつりと漏れたが、その言葉は誰にも届くことなく雨の中に消えていった。
私はずっと宙翔だけを見てきた。
だけど、宙翔はやっぱり違かったんだね…。
*
「彩葉ー。大丈夫?生きてるー?」
布団にもぐりながらスマホを眺めていると、部屋の扉がノックされた。
この声は、咲希だ。
「…どうしたの」
部屋の扉を開けると、ビニール袋を持った咲希がやっぱり立っていた。