バレンタインチョコと四人の恋
「そうかな?俺はふわふわしてて好きだよ」




ずっきゅーん、と胸を撃ち抜かれた。


あんなに大嫌いだった癖っ毛が今の一言で大好きになるなんて、我ながら単純だ。



恋の魔法にかかりすぎている。




「私も宙翔くんのサラサラの黒髪とか、細くてきれいな指とか、声とか匂いとか全部好き!大好き!世界で一番大好き!」


「褒めすぎだよ、ありがとう」




宙翔くんが照れたようにはにかんでいて、きゅうと胸が締め付けられる。


ああ、本当に言い足りないくらい大好きだ。



恋なんて、とか思っていた一ヶ月前の自分に教えてあげたい。


恋はすごく楽しいよ、って。





時が経つというのはあっという間で、文化祭も終わり十二月に入った。


ちなみに文化祭では、宙翔くんは生徒会長だといういとこの手伝いで忙しそうで、一緒に回ることはできなかったけど写真は撮ることができたし、相変わらず毎日話に行っているから満足だ。
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