バレンタインチョコと四人の恋
「ああ、母さんなら夕飯の買い物」


「へぇー」




…ということは、しばらく二人きり?




「どうする?母さん帰ってくるまでまたゲームでもしてる?」


「あ、うん」




…じゃなくて!聞くなら今がチャンスなんじゃないの?





「あ、あの!宙翔に聞きたいことがあって…」


「ん?なに?」


「えっと、この前…というか、十一月なんだけど、雨の日に女の子と相合傘して帰ってなかった…?」


「十一月の雨の日?…あ、帰ったけど、見てたの?」


「たまたま見て、それで、彼女、なのかなってずっと気になってて…」




言ってから、心臓が口から飛び出しそうなくらいドキドキとしながら、緊張して宙翔の言葉を待つ。
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