バレンタインチョコと四人の恋
「彼女?違うよ。同じ学校の子ってだけで、彼女じゃないよ。傘なくて困ってたみたいだから、俺の家まで一緒に行ってそれから傘一本貸してあげただけ」


「え、じゃあ…付き合ってないの?」


「うん」




な、なんだ…。ただの同じ学校の子…。



安心して思わずその場に座り込みそうになる。


聞いていなかったらずっと勘違いで引きこもっていたところだった。


勇気出して聞きにきて本当によかった…。




「…あ、そういえば、私受験受かったよ」


「は、まじ!?なんでそーゆーこと早く言わないんだよ!」




すっかり合否を伝えるのを忘れていた。


それどころじゃなかったとはとても言えなくて、曖昧に笑って誤魔化しておく。




「すごいじゃん、やったな!あ、彩葉ちょっとそこで待ってて」


「うん?」
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