バレンタインチョコと四人の恋
本当は今すぐにでも好きだと伝えたかったが、それよりも今は嬉しさが勝ち、もう少しその気持ちを噛み締めることにした。





「ふぅーん。それでにっこにこで今までさぼってた学校に来た、と」


「今日してるメイク早速宙翔の使ってみたんだ。すっごい色味可愛くてやっぱりタイプだった!」


「あんたねー誰のおかげで元気になれたのよー!」




咲希に髪の毛をぐしゃぐしゃーと掻き乱される。




「わ、やめてよー。本当咲希には感謝してるって!咲希がいなかったらきっと今も引きこもってたもん」


「そうそう。もっと感謝しなさい。…てか、結局彼女がいないのはわかったけど、告白はどうするの?」


「…うっ。そうなんだよねー。なんか告白する気がしぼんじゃったっていうか、なんかタイミング見失っちゃって。お母さんの仕事も今落ち着いてるらしくて、一ヶ月くらいは宙翔の家行く用事もないんだよね」


「一ヶ月後って言ったら…二月かあ。あ、バレンタインに告白する、とかは?せっかくだからチョコも渡してさ」


「バレンタイン…」




…よし。そうしよう。


バレンタインの日に、長年の片想いを宙翔にちゃんと伝えよう。
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