バレンタインチョコと四人の恋
「あ、依茉ちゃん、おかえり」




宙翔くんの教室から戻ると、中学から一緒にいる親友、初音麗(はつねうらら)が私に一番に気づき駆け寄ってきてくれた。




「あ、依茉ー。あんたまーた碧山くんのとこ行ってたのー?」


「もう日課だね」


「だって好きだから毎日話したいって思うでしょ!土日なんていらないもん!」


「あんなに食べ物にしか興味のなかった依茉が、こんなに好きになれる人を見つけられたなんて…。なんか感動…」


「あはは!たしかにー。でもさー、依茉はこのままでいいのー?」


「え?」


「だって、正直特にこれといった進展はないんでしょ?もう二ヶ月は経ったよね?」


「そう、だけど…」




毎日話して、宙翔くんのことはたくさん知れてきたし、私のことも知ってもらえている。


仲は深まっているはずだ。



だけど…。
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