君にクギヅケ
その後ろでは
行き交う女の子がチラチラと少年に目を向けていた
「気に入っちゃった…」
目の前を通り過ぎる女の子を無視し
一点だけに視線を送る
『おい、陸』
ふいに横から名前を呼ばれ振り向く
「あ~…どうした?」
間抜けな問い掛けにため息を吐く
『「どうした?」じゃねぇよ。ぼーっとして何見てたんだよ』
陸は、さっき見ていた場所を指差しながら話始めた
「さっき…ナンパされてる女の子達が居て…気に入った子が居たんだ。…蓮なら判るでしょ?」
『あぁ…お前の好みだったら簡単に言えば、ナンパ野郎についてかない軽くない女だったんだろ?』
「…うん」
蓮は呆れたような顔で陸を見た