うそつきな唇に、キス
Liar / セキュア





その後、相模さんたちが待っているだろうからと、小走りで最初に案内された応接室へと戻った。



「すみません、遅れてしまって」

「いえ……、って、おい七宮!お前なぜえるさんと一緒にいるんだ?!」

「………………、べ」

「おい舌出して誤魔化すな!!!えるさんすみませんこいつが失礼をして!!!」

「オレまだ何も言ってないッスけど?!」

「お前のことだからぜってえ失礼してるだろーが!!!本当にすみません!!!」



先刻のように、バッと七宮さんの頭を無理矢理下げさせ、そして自分も頭を下げる相模さん。

……うん、やっぱりこの人、理由はわからないけど好感が持てる。……だからそ、尚更残念でならない。



「本当にお気になさらないでください。わたしはどこも怪我はしていないですし。それより、お話に移りたいのですが、」

「あっ、はい!すみません。それで今後の話とは、一体どのような……?」

「実はですね、」



にこり、と毒気のない笑みを浮かべながら、それとは相反する言葉が口からついて出た。



「情報漏洩者を見つけましたので、捕縛のご協力をお願いしたいのです」



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