うそつきな唇に、キス



「えるちゃン!さっキ写真あるっちゅーてなかった?見せてほシいんやけど!」

「あ、はい。……でも、ほとんどひまわりしか写ってないですよ?」



琴に、せっかくだから写真でも撮れば?と言われて撮ったけれど、写真を撮るなんて初めてだったから、最初の方は手振れしているし。

……でも。



「……あ、2枚だけふたりが写ってるのありました」

「エ?!見せてや見セてや!!」

「は?いつのまに撮った……、」

「………、」



画面をスクロールしていたら、出てきたふたりの写真。

けれど、それを目にした瞬間、琴の言葉は止まり、若サマは相変わらず無言だけど今回はちょっと怖いし、睿霸は睿霸で必死に吹き出そうとしているのを堪えている顔をしている。


もういっそのこと吹き出してほしい。そしたらわたしも遠慮なくふたりに謝ることができるから。



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