うそつきな唇に、キス

「けほっ、す、すみません。え、と、わたしが高校に通う、という認識であってますか？」

「そうだ。おれと琴吹は凉乃(すずしの)高校の2年次に在籍しているため、お前も同じクラスに編入させることにした。年齢はおれたちと然程変わりないと思ったが、違ったか？」

「い、いえ。たぶん、同じ年頃だと思います」



というか、この人って未だに高校生だったんだ……。

高校生にしては今までの言動があまりにも大人びすぎていて、なんだかちょっと、混乱してくる。



「……なぜ編入させるのか、聞いても？」

「……お前の身の安全のため、と言えばわかりやすいか？」



静かに落とされた言葉に、それまでの経緯はわからずとも、ひどく納得してしまった。


なんとなく、この人たちは命を狙う側であり、狙われる側なんだろうなってことに。