うそつきな唇に、キス
Liar / ブラッド





「……あの。編入初日で目立ちまくりでしたけど、あれでよかったんですか?」

「えるを目立たせることが第一目標みたないとこあったから大丈夫じゃね。なあ、若?」

「ああ」

「ならいいんですが……」



お昼時。琴お手製の料理が所狭しと詰められた重箱を、教室でふたりで突いている。ちなみに、琴は自分用のお弁当を持参済み。

ふたりって、いろいろ規模が大きい。



「さて。える、おさらいだ。まずはこれまでの授業でわからなかったことはあるか?」

「それはないです」

「よし。じゃあ次。資料は読んだと思うが、この学校、そしてクラスの特徴は?」

「アルファ限定の学校、それもこのクラスはかなり治安がお悪いお方たちが集っている教室、ですよね」

「すげえ簡単に言うとそうなるな……」



あまりにも簡潔明瞭なわたしの説明に、琴はひっそりと苦笑いを落とした。



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