うそつきな唇に、キス



肉じゃがをひょいと口の中に放り込みながらそう言うと、なぜか琴にげんなりした顔をされた。



「……ちなみに、それ誰だ?」

「えっと、羽津(はづ)みなみと榊奈七(さかきなな)深沢縁(ふかざわゆかり)の3名ですかね」

「ああ、あいつらね」



今頃校舎裏で待ちぼうけをくらっているだろうから、教室にその姿はない。ただ、彼女たちがこのクラスの女子の中で、最もチカラを握っているグループであるのは確か。

と言っても、このクラスの男女比は7:3という数字で、女子が極端に少ないため、グループはもうひとつしか存在していないけれど。



「っつーか、いつ接触したんだよ。今日はほとんど若のそばから離れてねえだろ?」

「さっきトイレ行った時にこの後校舎裏来いって言われました」

「ああ……、同性の特権な」



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