うそつきな唇に、キス



「なんでこっちに足突っ込んでソんだけしか経ってないフツーの女の子が、僕の家のこと当てられるん?不思議やワー」



まじまじと見つめられて、居た堪れない気持ちになりながら、無意識にぽりぽりと鍵のタトゥーがある部分を掻いていれば。



「えるちゃん、なんで僕の家のこと当てらレたんか、聞いてもかまへん?」

「なぜ、と言われても……」



三分の二ほど若サマの背後に隠れながら、喵さんの左目に彫られているタトゥーを指差した。



「その特徴的なタトゥーは、世界にふたつとないデザインです。蔦柄はよくあるデザインだと思われがちですが、涙袋にある弾丸の跡のようなモチーフが、それを象徴しています。そして、それを入れるのを許可されているのは、丽宸会の頭目か次期頭目の人だけ。加えて、頭目はその弾丸の色が白ではなく赤い色らしいですので、若頭目かなあ、と」



つらつらと並べたわたしの推測に、若サマと琴、それに喵さんはぽかんとした顔をしていた。



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