うそつきな唇に、キス




「それで運動も得意トかやったら、僕の立つ瀬がなくなってしまうねんけどなあ」

「まあ、人並み以上には得意だと思います」

「そレ確実に出来る奴の言うセリフやん……」



出会った時の若サマと同じように、ひどく愉快げに笑う喵さんは、わたしのどこが可笑しくてそんなに笑えるんだろう。



「でもまさか、若くんがえるちゃんを唯一のみならズ、自分のいっちゃん近くに置いとる人間やって宣言するようなことしてるんのには驚いたなあ」

「……タトゥーのことですか?」

「ちゃウで?……まさか、気づいトらんの?」



本当になんのことかわからなくて首を傾げていたら、初めて呆れたように笑われた。



「えるちゃん、変なとこデ鈍いなあ。若くんのピアス、一個は左腕くんの瞳ノ色で、もう一個はえるちゃんの瞳と同じ色のピアスを空けてたやろ?あれがその証明ヤ」

「え、…………あ、あのピアス、そんな意味があったんですか?」



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