うそつきな唇に、キス




「能力……テスト?」



そんなのする予定あったかな?

琴が隣でばたばたと準備する中首を傾げていれば、若サマにちらりと目だけでため息を吐かれた。


絶対あの顔そうだ。実際には吐かれてないけど、目で呆れられた。



「明日、体育の授業にて執り行われる身体能力テストのことだ。聞かされていなかったのか?」

「え、あ、はい……」



学校って、そんなこともするんだ。

ああ、でも、確か学力テストもあるから身体能力テストがないっていうのはおかしな話でもあるのか、な。



「わたしは何をすればいいんですか?」

「……少々きなくさい動きをしている傘下の者がいる。そいつらに探りを入れろ。必要な物はがあれば準備をさせる」



こちらに一瞥もくれずにそう言った若サマに、う〜ん、と考えた、のち。



「……では、そのきなくさい動きをしている組織に所属している全ての人間の資料をもらえますか?」

「……すべてか?」

「はい」



せっかく与えられた初仕事なんだから、完璧にこなしたい。



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