君にホワイトブーケを贈ろうか
「真白ー呼び出しだぞーお前ばっかずりぃー!」
言われなくても聞こえてるよ、という心の声は音にせず、声の主の元へ歩を進める。
顔を赤くして俯いて体を小さく震わせるこの子への返事は、最初から決まっていて覆ることはない。おそらく俺は、好きな子以外にはとことん残酷だ。
「ま、真白先輩……っ卒業、おめでとうございますっ」
「ありがとう」
「あのっ話したいことがあって……!一緒に来てくれませんかっ」
「んー、ここじゃダメなことかな」
ダメというか、嫌だろう。
それをわかっていて聞く俺も大概なのは自覚はあるが、
俺だって彼女以外の女の子と二人きりにはなりたくないんだ。
「大丈夫、です……!あの、先輩、私にボタン、くれませんか……っ!」