君にホワイトブーケを贈ろうか
「最後まで真白1強かよ、お前ばっかずりぃわ」
「俺には心に決めた人がいるってのに」
「心に決めすぎて、同い年はみんなお前のこと諦めたのに後輩たちはたくましいよなー」
「怜南への気持ちが学校全体に伝わってなくて残念だよ」
「一途男は違うねえ」といつものようにからかう、この教室で怜南の次に話したであろう友人、小田伊吹のことは無視して、俺はようやくその愛しい彼女のほうを振り返った。
さっきまで卒アルに寄せ書きを頼まれていた彼女はもうペンは持っておらず、クラスメイトと話していた。
控えめに口角を上げて、笑うと目がなくなる優しい笑い方はかつて俺だけが知っていたのに、今じゃもう全員が知っている。
話せるのは俺だけだった彼女も、少しずつクラスメイトと打ち解けて友達ができて、そのことを楽しそうに嬉しそうに話してくれるようになった。